この土地だからこそ生み出せるフレンチ料理

釧路市のフレンチレストラン「イオマンテ」に、定番メニューはない。その時季、その日に生産者から届けられる食材を見てからメニューを考えるからだ。オーナーシェフの舟﨑一馬さんは、自らを「料理人ではなく、生産者の思いを届けるメッセンジャー」と言う。独立前から地元の生産者と交流して芽生えた思いを、店舗という形に込めているのだ。イオマンテで扱う食材は、釧路の旬の魚や野菜をはじめ、阿寒町のエゾシカや浜中町の昆布、白糠町の乳製品など、実にさまざま。そしてもう一つ、欠かせない要素がアイヌ文化。アイヌの人々が古くから薬などに活用していたキハダをスパイスにするなど、地域で培われた歴史を積極的に取り入れている。釧路だからこそできる、新しいスタイルのフレンチなのだ。

※情報は2025年7月のものになります